骨髄移植から約1年経って、その間に起きた副作用や医療費などのまとめ

首都東京からこんにちは。どうも、富良野くまりん@wild_manです。というわけで退院してからぴったり1周年です。あっという間、早かったですねぇ。まあ、去年はゴールデンウィークと自宅療養生活、夏休みが直結していたので、学校が始まるまでは長く感じましたが、始まってからは本当にあっという間でした。2度目の2年生な学校生活がやっと落ち着いたところですが、今年も充実した学校生活を送り、あっという間って感じられるぐらいの充実した学校生活を送りたいです。


キリも良いので退院後の生活を総括して書きたいと思います。勿論、骨髄移植を伴う白血病の術後なんて人によってまちまちなので参考程度にしかなりませんが、これが誰かの役に立てば幸いです。

GVHDについて

骨髄移植に伴うGVHD。簡単に言うと移植した細胞が自分の身体を攻撃してしまい、それによって様々な症状が現れてしまうという、骨髄移植の副作用のようなものですが、私の場合、治ったと言えば治った。治ってないと言えば治っていないという感じです。

退院直後は特に目立ったGVHDは出ていませんでした。胃がすっかり弱ってしまい、焼き肉のような脂っこいものを食べると下痢をするというようなことはありましたが、移植直後のような慢性的な下痢の症状になやまされることはありませんでした。

本格的なGVHDが出始めたのは免疫抑制剤の服用をやめてからでした。

臓器移植などと違い骨髄移植の場合、GVHDや拒絶反応を抑える免疫抑制剤の量を徐々に減らしていき、最終的には免疫抑制剤無しでも大丈夫なようにしていきます。私の場合、4〜5ヶ月かけて免疫抑制剤の量を減らしていきました。

免疫抑制剤を切ってからは、顔に白っぽいあざのようなものがでてきました。また口内が慢性的に荒れるようになり、カレーや麻婆豆腐は甘口しか食べられないからだになってしまいました。うどんやそばに七味を振るのも結構危険。歯磨き粉も比較的辛みの少ない歯周病予防でおなじみのガムですら激辛に感じる始末で、子供用歯磨き粉ぐらいしか使えませんでした。

大体の辛いものは食べられなくなりましたが、唯一平気な辛みがあります。それがワサビの辛さ。ワサビの辛さは舌に残ると言うより、鼻に抜ける感じの辛さなので、案外平気でした。

移植してから約13ヶ月。顔に出てきたあざのようなものは、殆ど見えなくなりました。中学のころにできたニキビの跡の方がよっぽど目立ちますし、化粧をするような方なら全く問題ないと思います。それから、今でも辛いものは大変ですが、ガムのような辛みの少ないものは平気、カレーなら気合いを入れれば中辛ぐらいまでは平気になりました。以前のような辛口カレーでも平気で食べられるような舌になる為にはもうすこし時間が必要なようです。

医療費について

私の場合、入院保険などに加入していなかった為、高額医療制度を利用して月額20万円程度の負担で入院していました。入院4ヶ月が過ぎると自己負担額が更に減額される為、13〜14万円程度の負担額でしたが、親がちゃんと仕事をしていてくれたおかげで何とかなりました。

移植に関しても、ドナーさんの入院費等は差額ベッド代やコーディネート代を除けば全て高額医療でまかなえるので、そこまでの負担にはなりませんでした。コーディネート代に関しては実家に直接請求書が行っていたので具体的な額は分かりませんが、一人につき3〜4万円程度だったと思います。私は3人ぐらいの方のHLA(白血球における血液型)を検査していただいたと思います。差額ベッド代も2万円程度だったので、思った以上に負担額が少なかったことに驚いた記憶があります。

退院後の通院や医薬品にかかる金額は結構ヘビーです。初めの1ヶ月は8万円。2〜3ヶ月は5万円。4〜5ヶ月は4万円。6ヶ月目以降は3万円という感じです。初めの頃の医療費が高いのは、病院に行く頻度が週1回であり、また1カプセルあたり500円もする免疫抑制剤を大量に処方されるので負担額が多くなります。また時々、骨髄穿刺検査やレントゲン検査、呼吸器検査など色々な検査が入るので地味に負担額を上げます。人によっては保険が効くので入院していた時の方が負担額が少なく、むしろ退院してからの方が負担額が増えたという方もいるかもしれません。

移植してから約1年、先月の薬代は26000円程度、そこに診察費を加えて30000円を超えるぐらいでした。空気中のカビや菌からの感染を防ぐ薬が地味に高いのでこれぐらいの価格になっちゃいます。

私の場合、医師に無理を言って早めに社会復帰したという面もあるので、慎重に行きたいとのことらしいです。移植後半年で社会復帰をするのはどちらかといえば少数らしいので、他の方に当てはまるかはよく分かりません。

髪の毛について

骨髄移植を行うと放射線治療抗がん剤の効果で毛根が全滅します。まぁ、殆どの人は遅くても半年ぐらいまでには髪の毛が生えてくるので絶望する必要はありません。私も2ヶ月後ぐらいには生えてきました。

ただし、毛根が全て死んでしまったせいなのか、毛がビックリするぐらい細くなりました。以前は他の人よりも毛は太く、ボリュームもあったのですが、すっかりボリュームはなくなってしまい、何もしないとぺったんこって感じになってしまいました。

また、髪の毛が伸びる速度がかなり遅くなりました。移植してから1年。理髪店に行ったのは2回のみ。しかも理由は髪が長くなったからというよりは、耳に髪の毛がかかって鬱陶しいからという程度の長さ。全体的なバランスから見れば、まだ床屋に行く必要はない、行っても1000円床屋で軽くそろえてもらう程度で大丈夫って程度でした。

まぁ、以前に比べれば伸びるペースに関してはマシになってきたような気もしますが、毛が細いのは相変わらず。育毛剤の「毛を太くする」という一文を見ながら、購入を悩んだり悩まなかったり。

視力について

骨髄移植の前処置として行われる放射線治療。これの副作用の一つに白内障があります。処置前の説明では、殆どの人には症状は現れないが、まれに白内障になってしまう人がいるとのこと。

私の場合、一切視力に変化は無し。ものが見えにくくなったとか、曇って見えるとか、そんな症状は一切ありません。他の移植経験者の方の話でもそのような話は聞いたことがないので、本当に「まれ」だと思います。これから移植を控えている方は、このことに関しては心配しなくて良いと思われます。

その他の変化

一番の効果は花粉症が治ってしまったことでしょう。今年の春は外に出歩くときにマスクを付けることも、鼻が詰まることもありませんでした。若干目が痒くなることもありましたが、我慢できる程度だったので、我慢しているうちに気にならなくなるということが殆どでした。

それからアトピー性皮膚炎も治ったみたいです。夏と冬はかゆみ止めの塗り薬が必須でしたが、これも必要なくなりました。

白血病と言っても、実感できるのは赤血球が作れなくなるので息切れが増えるぐらいで、血液検査でもしない限りは白血球が増えることなんて実感できません。血液検査の結果を見れば白血病が治ったことが実感できますが、実生活の面から見れば、花粉症やアトピーが治ったことの方が実感としては大きいように思います。

最後に

主治医から直接言われたわけではないのですが、親の話では血液型は変わってないらしいです。血液型性格分類という戦前に数十人程度という明らかに少ないサンプル数から導き出した統計学という科学的な理論(笑)を鵜呑みにすれば、性格は一切変わらないはずですが、物事の見方や考え方は大きく変わりました。多かれ少なかれ性格も変わったと思います。

ときどき「骨髄移植をすると血液型が変わるけど、性格も変わるの?」とかいう素朴な疑問を見かけるのですが、私の答えは「血液型が変わったことはないから分からないけど、医師から『このままでは5年後の無病生存率は30%です』とか『70〜80%の人に効くという抗がん剤が残念ながら君には効果がないみたいだ』とか言われると、自然と性格は変わるよ」っては答えられると思います。


とりあえず思いつくままに色々書いてみました。そのほか色々疑問に思うことがあるかと思いますが、コメントに書いてくだされば出来る範囲で答えます。


それじゃ!