デジタル社会になると都市伝説や心霊現象を引き起こす側は色々と厄介

どうも富良野くまりん@wild_manです。レポートやら試験やら校外活動やらにおわれて、こたつで仮眠オンリーで布団に寝られない日々が続きましたが、どうにかそれらもおちついて布団で寝ることが出来そうです。



Twitterのタイムラインで「NNN臨時放送」という都市伝説の話題がちらほらと挙がっていた。これは、放送終了後のテレビで突然、ドラマや映画のエンドロールみたいに人の名前が次々にスクロールしていき同時に抑揚のない声でその名前を読み上げる。最後に「明日の犠牲者はこの方々です、おやすみなさい。」とあって突如終了、というような番組が昔存在したというものだ。YouTubeで、これを再現したものがアップされている。


http://www.youtube.com/watch?v=PWyWyoBwy3w


まぁ、多少のアレンジが加えられているのはさておいて、今日死亡する人間の名前を読み上げる番組は、行方不明者の名前と写真(と居なくなった日時?)を淡々と読み上げるだけの番組が存在するというのを聞いたことがある。少なくとも、北朝鮮による拉致被害者の名前を永遠読み上げるラジオ番組が存在するのは事実であり、それのテレビ番組番だと思えばあっても不思議ではない。


ただ、今日の書きたいことはNNN臨時放送についてではない。


都市伝説において、放送終了後の砂嵐のなかで、突然意味不明な番組が始まるというネタはなかなか王道であると言えよう。「ドラえもん のび太の不思議のラビリンス」でもテレビを付けたまま寝てしまったパパが、放送終了後の砂嵐のなかで突如始まったテレビの番組に映し出された人と会話をして・・・というところから話は始まる。砂嵐の中に心霊が見えるなんていうのもある。テレビの砂嵐は、テレビ放送の華やかさとは対極にあるにもかかわらず何か引きつける物がある、不思議な存在だ。


だが、残念なことに地上デジタル放送完全移行がすぐそこまで来ている。地デジでは砂嵐は存在しない。意図的に誰かが砂嵐の映像を作って放送しない限りは画面に「電波が受信できない」と警告文が出るだけ。ウソか本当かは分からないが、テレビがらみの都市伝説というのは偶然、砂嵐の中から不思議なメッセージを受け取ってしまったということになっていることが多いが、2011年以降は、わざわざアナログチューナーの付いたテレビを残しておき、わざわざ砂嵐の画面を表示させない限り、科学では解明できない何かからのメッセージを受け取ることは不可能だ。仮にメッセージを受け取ったとしても、それは偶然ではない。


地デジの画面に幽霊を紛れ込ませることは可能か。考えてみよう。ちなみに臨時放送についてはソースさえ確保すれば、どの局だって作ることが可能なので無視する。それから神のような全知全能のものであれば何だってやり放題なので考えないことにするが、地デジの放送は暗号化されているので結構厄介である。流石に暗号化したままでは飛んでいる電波の中身をいじることはできないので、一度暗号化を解除し、再度暗号化する。そして視聴者はB-CASカードの中の解除鍵を使って幽霊が紛れ込んだ映像を見て驚くという流れになる。結構面倒だ。


アナログの場合は結構簡単だ。ノイズとして紛れ込めばそれで良い。デジタルの場合、ノイズとして紛れ込んだ場合、ノイズ部分は自動的に修復されて無かったことになってしまう。今まで、砂嵐を使ってメッセージを送り続けてきた幽霊さんたちはさぞかしやりにくい社会になってしまったと嘆いていることだろう。お先真っ暗である。


それから似たような物で心霊写真というのがある。なんでも心霊写真に写り込む幽霊というのは、前もってフィルムの中に入っているらしい。だが、時代はデジカメの時代。まぁ、フィルムに当たるのがSDカードやメモリースティックになる訳だが、前もってデータが入っていたら明らかにおかしい。しかも、そのデータが画像形式であり、しかもJPEGというISO、IEC、ITUが定めた規格にマッチングしているデータを幽霊があらかじめ入れておくというのだから、かなりの専門的な知識を持ち合わせている必要がある。幽霊さんがわざわざ写真に写り込むためにこれらの知識を得なければいけないというのは酷な話だろう。


一番楽に写り込む方法は、人魂のように実際に光っちゃう方法である。デジカメというのはCMOSやCCDといった光を関知するセンサーを用いて撮影するわけだから、幽霊自ら発光してセンサーに拾ってしまえば、あとはすべて機械がやってくれる。ただし、デジカメというのは撮影直後に気にくわないのであれば削除することができてしまう。あまり派手に写り込みすぎた場合、撮影者に撮影に失敗したと思われ、わざわざ写り込んだ写真が削除されることもあり得る。目立ちすぎないことも重要になる。また、この頃はデジカメの液晶モニタが大型化していることもあり、写り込んだことがばれやすい環境になりつつある。心霊写真派の幽霊もやりにくいだろう。


一応、撮影してメモリに保存されたデータの中に入り込むという方法もあるが、JPEGデータの場合、如何せん圧縮されているデータのため、一部データが破損すると全体にエラーが出てしまう。そうするとわざわざ写真データに入り込んでも画像データを開くことが出来ずそのまま削除されてしまう。これは寂しい。


一応、個人的にオススメしたいのが、Exifを利用して自己主張することである。ここはJPEGの拡張部分なので、画像の影響も少ない。テキストを入力できるという面においても主張しやすいんじゃないかと思う。ソフトウェアによってはこの部分を読み取れないこともあるが、デジカメや携帯なら大体の場合読み取ることが可能で大丈夫だろう。幽霊さんは下手に写真に写り込むなら、Exifの部分に「HELP_ME」とでも書き残しておいたらいかがだろうか。


時々、テレビでデジカメで撮った画像を刺して「幽霊写真だ」という人がいるが、残念ながらデジタルデータにおいては加工が出来ちゃうため信憑性は薄い。Photoshopあたりで加工して、再度Exifの部分を書き換えちゃえばまるでカメラで心霊写真を撮ったかのような画像なんて作れてしまう。霊能者の方がデジカメ画像を見て幽霊が取り憑いているというのなら、画像云々ではなく、記憶メモリの方を除霊する方が正しいとも思えるし。ちなみに裁判においては、音声ならアナログのテープ、写真ならフィルムというように、あえて編集しにくいものを用いて証拠としての価値を高めることをしているらしい。デジタル社会のせいで、本当に霊能力を持っている人の信頼まで下がってしまった。酷い時代である。



今現在、幽霊として我々にメッセージを送り続けている方々は大体がデジタルというものに触れ合う前になくなった方だろう。だから手段がアナログな方法に傾いている。もし、私が幽霊としてメッセージを送る側に立ったのであれば、ある程度はデジタルについての知識もあることだし、それらを生かしてもうすこし効率的な方法でメッセージを送りたいものだw