意外な運命共同体
今から2年前、まさに仙台で浪人真っ最中の頃にサボテンを買いました。画像のExif情報によると撮影日は2006年06月25日なので、買ったのはその頃だったんでしょう。
PCと勉強道具やテキスト、最低限度の生活用品を除けば何もない部屋。なんとなく寂しさがあったのと、そのころプレイした『よくばりサボテン』(アリスソフト)の影響、さらに住んでいた場所の近くにあった店でサボテンが安売りされていたってのが買った理由だったと思います。
私の忘れたり忘れなかったりした水やりのおかげで枯れることもなく、ゆっくり成長していきました。部屋でまじめに勉強したり、飽きてエロゲをしたりしている私を部屋の片隅からずっと見ていたんでしょう。
とりあえず大学も合格して浪人生活が終わった2007年春。このサボテンも私と一緒に実家に帰ってきました。東京に引っ越すことになり、いろいろと荷物を送りましたが、このサボテンを東京に持って行くか悩みましたが、郵送を頼んで途中で何かあったらいやですし、手に持って行くのは面倒だったので、結局実家においていきました。
東京で生活し始めて最初の夏、ちょうど去年の今頃、帰省したときにはやっぱりサボテンは元気に育っていました。母がサボテンを大きな鉢に植え替えて、縦に伸びるというより横に伸びるって感じで成長してるなぁって印象を受けたのを覚えています。
東京に戻って、大学の後期の授業が始まった頃、私は白血病になりました。20年かそこらしか生きてない私でしたが、これほどの命の危機は初めてでした。
ここからは母から聞いた話。確か去年の秋ぐらいに片付けをしているときに、うっかりサボテンの鉢を倒してしまい、その時、ぽっきりサボテンが折れてしまったそうです。
この話を聞かされたのは確か骨髄移植が終わって退院した後だと思います。いろいろ大変なことが重なっていたので、伝えるのをすっかり忘れてしまったそうです。まぁ、息子が白血病になるなんてそうそうある話では無いですしね。
私は私でそのことを聞いたのですが、退院してからも暇だったり忙しかったりしたので、すっかりそのことを忘れていました。前回帰省したときはサボテンの存在自体を忘れていましたし。
で、久しぶりに存在を思い出しました。下の写真が今のサボテンです。
飼い主(1年以上面倒見てないけど多分私)と同じように命の危機があったみたいですが、元気に生きてるみたいです。
正直、見栄えも良くないですが、ここまで私と一緒に苦楽を共にすると愛着が湧きますね。少し前の日記で絶望について書いたときに、はてブの方にid:kennakさんが書いた「真剣に生きるって事は潔くてかっこ悪い事だと思う」というコメントが私の中でとても印象的でした。植物ってのは、人間と違って正直に生きるでしょうから、この格好悪い形こそがサボテンが本気で生きようと思った形なのかなって思います。
ホームセンターの片隅の園芸用品の売り場で安売りの札が付いていたサボテン。知らないうちに運命共同体となっていたみたいです。私もこのサボテンも格好悪く生きていますが、私も生きるということに真剣でありたいですね。
それじゃ!