無菌室で呼吸困難に陥ったときの話

どうもwild-manです。ネタに詰まると入院の時の経験談をネタにするのはご愛敬。今日は無菌室で無菌室で呼吸困難に陥ったときの話の話です。



骨髄移植ってのは、分かりやすく言えば血液工場の生産ラインを総入れ替えすること。生産ラインを全て入れ替えるためには、工場を一時的に止める必要があります。この止めるため(正確には工場をぶっこわしているという方が正しい)の作業が、抗がん剤の投与であり、放射線照射であると思っていただけば良いでしょうか。工場が止まってしまっても、身体は動いていますから常にオーダーは入ってくるわけです。何もしないと死んじゃいますから、そのため、ほぼ毎日輸血が必要になってくるんですよ。


骨髄移植の翌日の夕方、血小板の輸血を行いました。血小板は輸血したときに反応が出やすく、過去の日記にも書いたようにじんましんが出てかゆくなるという症状があったため、私の場合、前投与として、アレルギー反応を抑えるためにポララミンを点滴していました。

いつものようにポララミンの点滴を終え、血小板の輸血を始めました。輸血を始めてから30〜40分ぐらいすると、それまで出ていなかった鼻水が出てきて、間もなく息苦しくなり始めました。あまりに急に体調がおかしくなったので、とりあえずナースコールで看護婦さんを呼びました。

普通の病棟なら呼んですぐに看護婦さんが来てくれるのですが、無菌室には入るために色々と手間が掛かるので3分ぐらい時間が掛かります。無菌室の担当になる看護婦さんもいますが、24時間常に無菌室の中にいるわけではないので、大体の場合、呼んでから時間が掛かってしまうんですよ。その時も少々時間が(といっても上記の通り3分ぐらい)かかってから看護婦さんが来ました。

たった3分ですが、この3分の間に体調は悪化。鼻水に加えてよだれが滝のように出てきて、口で息をするのも困難になっていました。医学知識がない人でも、これはヤバイってのは見れば分かる感じになっていたと思います。

看護婦さんは輸血を止め、すぐに内線で先生を呼びました。先生も5分もせずに来てくれたと思います。ただ、その5分間程度でさらに状況は悪化。鼻水、よだれの出る量が更に増え、涙も出てきました。看護婦さんが来たときは話すことができたのですが、先生が来たときには声も出せない状態になっていました。息をするだけで精一杯でした。

先生は私の鼻に吸引器のチューブをつっこんで、一気に鼻水を吸引。鼻で呼吸ができるようになり、呼吸は大分楽になりました。とは言っても、鼻水もよだれも涙も止めてはいないので、どんどん出てきます。

とりあえず呼吸が楽にできるようになったのを確認して、ステロイドの点滴を繋がれました。ステロイドの点滴は凄いですね。あれだけヤバイ状態にあったのに、10分ぐらいしたら鼻水もよだれも涙も止まりました。


翌日、呼吸困難とステロイドについて説明を受けました。呼吸困難は移植によって身体が不安定になっているから起きたのだろうということ。今後、血小板を輸血したら今回のような反応が出るか出ないかは分からないということ。ステロイドを輸血の前にすれば、このような反応は起きなくなるだろうということ。ただしステロイドは効果はあるけど、移植した骨髄の正着を妨げるデータも出ており出来る限り使用は控えたいとのこと。出来れば使いたくないとのこと。ただし、血小板の輸血をしないわけにもいかないので、輸血の時だけ使うということでした。


血小板の輸血は2〜3日に1回。輸血した回数も片手に収まらない程度だったと思うので、使用量も少なく、正着を妨げるってほどの影響は出ませんでした。私より先に移植をしていたものの、ステロイド点滴の量が多く、そのため正着が悪くなってしまい、サイトメガロウイルスに悩まされ私より退院が遅くなってしまった方もいたので、今思うと、点滴量が少なくて良かったと思いますね。



それじゃ!