昼寝から起きたら胸が苦しい。これは恋なのか?


立ち上がったら立ちくらみもするし、頭が軽く痛い。うーん、こうなると恋以外の可能性として風邪というものが出てくる。確かに、何となく体がだるいし、額を触るといつもより体温が高い気がする。残念ながら体温計を持っていないが、仮に体温計を持っていたとしても、自分の体温が普段より高いことを数字で見てしまうと、風邪を引いてしまったと認めないといけないので、ちょうど良い。とりあえず、俺は恋してしまったということにしておこう。


さて、20歳になるまで胸が苦しくなるほどの恋というものを体験をしたことがないから、これが恋心なのかと思い悩むわけだ。これがギャルゲでいうところの、いままで主人公を単なる"お兄ちゃん"として見ていた妹的ポジションキャラが、主人公を一人の"男性"として見るようになり、この恋心に思い悩むというシーンはとても萌えるし、何とも言えない歯がゆさが良い感じになるわけだが、肥満体型と標準体型の境にいる眼鏡をかけた学生ニートが恋心に思い悩んだところでキモいだけである。しかも、先ほどから5分に一度鼻をかんでいるのだから、正直ウザイ。


で、気になるのが誰に恋をしているかが重要になるわけだ。ほぼ男子校な訳で、学校内外を考慮しても、身内以外をのぞけば、事務的な会話以外で女性と会話した記憶がない。・・・いや、先日のテニスの授業でそういえば女子と会話をしたな。そうか、あの体育の授業があった日に、目眩を起こし、息を切らしてしまったのは、久々の運動に加えて、数日ぶりの晴天だったからではなく、彼女があまりにもまぶしく、俺がくらんでしまったからに違いない。まぁ、正直、顔を思い出せない訳だが、それは俺が気を抜いてテニスをしていたからではなく、彼女があまりにも眩しかったからということにしておこう。部屋の温度が26度もあるのにもかかわらず、寒気がし始めてきた理由が思いつかないが、きっと恋の一点押しでなんとかなるだろう。



・・・。



・・・・・・。



どれ、風邪薬でも飲んで寝るか。