今話題のセンター英語リスニング試験で使用したICプレーヤーを分解してみました。

二日間にわたるセンター試験が終わりました。新教育課程のおかげで理科系統のテストが昨年に比べ、恐ろしいほど簡単だったので、今年の平均は70点ぐらいになりそうな予感です。


さて、今日はテストも終わったことですし、今話題のセンター英語リスニング試験で使用したプレーヤーを分解しつつ、色々調べてみようと思います。ニュースによると461人がICプレーヤーやヘッドフォンの故障等でリスニングの再テストを受けたそうです。幸運にも私やその知り合いで不具合が起きた人はいませんでしたが、全国で50万人以上がが外国語の試験を受けたという事を考えれば、単純計算で故障率は約0.1%、まぁ、これぐらいの数字になるのは仕方がないんじゃないんですかねぇ。



まず、音声データが記録されていたメモリースティックです。



センター試験が終わったら中身を消してストレージとして使ってやろうと思いましたが、内容量はたったの16MB、しかもよく見ると「MEMORY STICK-ROM」と書かれており、PCでデータを消そうとしてもプロテクトがかかっているから解除しろとの趣旨のエラーが表示され消せない始末。



どうでも良いですけど、メモリースティックは日本製みたいです。やっぱり音声データ流出の危険性を考えて国内生産なんでしょうかねぇ。



次に中のデータについてです。

中のファイルは以下のような構成になっていました。

MSZYXW
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 +-- MSZYXW / MSZYX000.BIN (1,769,472バイト)
         MSZYX001.BIN (1,507,328バイト)
         MSZYX002.BIN (851,968バイト)
         MSZYX003.BIN (1,851,392バイト)
         MSZYX004.BIN (1,785,856バイト)
         MSZYX005.BIN (1,687,552バイト)
         MSZYX006.BIN (1,622,016バイト)
         MSZYX007.BIN (966,656バイト)

中に記録された音声データは独自形式みたいで、いくつかファイル形式を調べるを使って調べてみましたが情報を得ることは出来ませんでした。通常、ファイルの頭の辺りに形式情報が書いてあるからバイナリエディタで開いてみれば何か分かるのでは?とも思い、バイナリエディタで開いてみましたが、全てのファイルを開いてみましたが規則性を見つけることは出来ませんでした。


PCからファイルを開いて音声形式を判断するのを諦めて、プレーヤーのヘッドフォン端子から音声を出力し、PCで録音して、スペクトログラムで開いてみました。



開いてみて分かったのですが、どうやら日本語で問題説明をしている部分に比べて、実際に英文を読んでいる部分は音質が良いみたいです。上の図が日本語で問題説明をしてるときの音声です。10kHz以上の音声は削られているようです。下の図は英文を読んでいるときの音声です。こちらは12kHzを超える部分も見られます。


音声自体はステレオで、音声時間は約30分。全部録音して、厳密にどこからどこまでが低音質部分で、どこからどこまでが高音質部分かと調べたわけではないので正確なことは分かりませんが、サイズから考えると日本語が45〜50kbps、英文が50〜60kbpsぐらいになると予想します。このビットレート帯でしばしば発生してしまうシャカシャカ音はほとんど感じなかったので、もしかしたらSpeexのように人の声に最適化されたエンコーダを利用しているのかもしれません。



さて、続きまして本体の分解に移りたいと思います。記録メディアとしてメモリースティックが採用されている時点でうすうすと気付いていましたが、搭載されていた単三電池はソニー製でした。



本体の基盤の方は以下の通りです。


製造の方はMITSUMIみたいです。MITSUMIといったら個人的にはフロッピーディスクやマウスのメーカーのイメージが強いだけにちょっと驚きました。メーカーのホームページに行ってみるとICも製造販売しているみたいなんですね。初めて知りました。


ちなみに我が家にあるMITSUMI製品は全てNECやら富士通OEM品。もしかしたらこのプレーヤーもソニーOEMだったりして…。


まぁ私自身に電子工作の知識がないのでチップを見ただけでも良く分かりませんが、JRCなど漠然と知っているメーカーもあったので、海外の適当なメーカーのチップを見繕って組み立てたものでは無さそうです。


すっかり書くのを忘れていましたが、音質の方は元のデータの音質が低いので良く分かりませんが、ホワイトノイズも乗っていませんし、ボリュームを上げてもノイズもほとんど立たないので悪い作りではないみたいです。
PCでエンコードしたファイルが再生できれば面白そうなのですが、音声形式が良く分からないのでこの遊びをするのは難しそうです。残念。



とりあえず調べてみて分かったのはこれぐらいです。音声形式を解析してくれる神が現れることを願いたいと思います。