駅を目指して歩いているときに・・

雪が降っていた。


重く曇った空から、真っ白な雪がゆらゆらと舞い降りていた。


こんな時にヘッドフォンから流れる音楽が「Last Regret」なのだから、MP3プレーヤーのシャッフル再生機能もグルなのではないかと考えてしまう。



雪の降る中、駅を目指して歩いていた。次の電車の出発時刻は30分後。駅までは晴天なら現在地点から徒歩で約30分。早足で行けば間に合うだろう。ただし、今日の天気は雪。道には15〜20cmの雪が積もっている。走れば何とかなるかもしれないが、この雪では走る気力も出ない。どうしたものか・・・。



ヘッドフォンから流れる「Last Regret」を聞いていると、どうしても『Kanon』のことを思い出してしまうのはギャルゲーマーならではの問題だろう。ただし、今日みたいな雪の日ではあの雪の町がリアルで目の前にあるわけで、正直困る。


−ありがとう 言わないよ ずっとしまっておく
俺は今、所々で雪かきがしてある店舗の人にありがとうって言いたいよ。


−さよならは翳りない
さよならとか、そういうのは無いけど、この雪で俺の気分が翳りかけています。いや、マジで。


−夢のあと 静かに降り立つ
この雪が夢だったらどれだけ良いことか。


−両手には降り注ぐかけらを いつまでもいつまでも抱いて
俺は今、降り注ぐかけら以外にも両手には来週行われる高校入試のために持ち帰らなければならない教科書類が入ったバックを持っているんだよ。正直、この上に雪が積もると、雪が溶けて中の教科書がぬれてしまいしわが寄ってしまうため、出来ることならこの降り注ぐかけらを抱いていたくはないんだね。


−最後まで笑ってる強さを もう知っていた
たぶん俺、今笑ってないなぁ。それとも逆に笑ってるか。まぁ、どっちでも良いが・・・。



・・・・・・



駅までが遠いと思ったのは久しぶりだなぁ。


まぁ、無論雪が積もっているからだとは思うが、こう、雪の積もった町並みを歩くシーンとなると青い髪の少女(CV:國府田マリ子)を考えてしまうのは、やはりギャルゲーマー悪い癖なのだろう。


・・・イタいな、俺。

てか、こんなこと考えてないで黙って駅を目指して歩くか・・。



そして俺はヘッドフォンを外し、また駅に向かって歩き始めたのでした。



もしも、あなたが駅のそばのベンチでアンニュイな表情で一人、雪の降る中ベンチに座っている男性を見たのなら、それは私ではありません。問題なく電車には乗れましたんでw